リニアック(照射ヘッド)

リニアックの構造

偏向部

<役割>

偏向部の役割は「偏向電磁石により加速管から出た電子を曲げて、ターゲットに衝突させる」ことと「エネルギースリットにより排出するエネルギーを選別する」ことです。

<特徴>

①一般的に電子を270°曲げる270°偏光方式が採用されています。

リニアックで使用されるコイルと役割

①補正電磁石(ステアリングマグネット)

:電子ビームを変位させ、位置を制御する

②四極電磁石(Qマグネット)

:電子ビームを集束し、広がりを制御する

③偏光電磁石(ベンディングマグネット)

:電子ビームを偏光させる

ターゲット

<役割>

役割は「高速の電子を衝突させて制動X線を発生させる」ことです。

<特徴>

①ターゲットに使用する材質は

4~6MVの場合はX線変換効率を考慮し、高原子番号の金属(タングステン、金、白金など)が使用されています。10MV以上の場合は中性子の発生を抑制するために銅Cuが使用されています。

フラットニングフィルタ

<役割>

役割は「ターゲットで発生したX線の軸外線量比を平坦にする」ことです。

<特徴>

①フィルタの形状は円錐型です。

②フラットニングフィルタの材質は

10MV以上の場合は中性子の発生を抑制するために製のフィルタが用いられています。6MV以下の場合は銅や真鍮(黄銅)などが用いられています。

FFF (flattening filter free)

FFFとはフラットニングフィルタを使用せずにX線照射を行うことです。

なんで使わないの?使ったほうがいいじゃんと思うかもしれませんがメリットがあるんです!

<メリット>

① フィルタによる減衰がないため、線量率を向上することができる。そのため治療時間の短縮できるなどの利点があります。もちろん、照射時間が短いほど、体動による位置ずれも少ないし、患者さんの負担も少ないです。

②フラットニングフィルタで発生する散乱がないため、 患者さんへ照射される散乱線や照射野外への漏洩線量が低減されます。

<デメリット>

凸型の線量分布になることである。

②フラットニングフィルタによる線質硬化が起こらないため、FFFでは線質が軟化する。そのため、皮膚の表面線量が増加する。

スキャッタリングフォイル(散乱箔)

<役割>

役割は「電子ビームを散乱させて照射野を拡大させる」ことです。

<特徴>

①材質にはアルミニウム・ニッケル・タンタル・鉛などが使用される。

モニタ線量計

<役割>

役割は「あらかじめ設定されたモニタ設定値に達すると照射を停止させる」ことと「線量率と線量平坦度を監視する」ことです。

<特徴>

①モニタ線量計は複数のセグメントが分割されており、積算線量を表示します。 また、複数のセグメントに分割されていることにより、線量平坦度を監視することができます。

②モニタ線量計は2つ設置されており、何らかの原因でモニタ線量計が正常に動作しなかった場合、もう1つのモニタ線量計がバックアップとして働くようになっています。

密封型通気型があります。密閉型は温度気圧補正をしなくてもよいので、一般的に密閉型のモニタ線量計が使われることが多いです。

④通常、平行平板型のモニタ線量計が使われます。

コリメータ

一次コリメータ(プライマリーコリメータ)

<役割>

役割は「最大照射野よりも外側に広がるビームを遮蔽する」ことです。

<特徴>

①一般的に固定式です。

②材質はタングステンが使用されています。

二次コリメータ(セカンダリーコリメータ、Jaw)

<役割>

役割は一次コリメータにより最大照射野サイズまで整形されたビームをさらに必要な照射野サイズまで成形する」ことです。

<構造>

可動であり、任意の照射野サイズに整形することができる。

②上下2段で構成され、上段絞り(upper jaw)と下段絞り(lower jaw)と呼ばれています。

③モニタ線量計に近い上段絞りの開度が狭いほど後方散乱の影響が大きい。

④材質はタングステンまたは鉛が使用されています。

マルチリーフコリメータ(MLC:Multi Leaf Collimator)

<役割>

役割は「照射野を複雑な形状に合わせて整形する」ことです。

<特徴>

①2.5mm~10mm厚程度の板状のコリメータ(leaf)が並び、1枚ずつ動かすことで任意の照射野形状を整形することができます。

②材質はタングステンが使用されます。

国家試験

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