ガンマカメラ

ガンマカメラの構造

ガンマカメラでは次の順序で画像化されます。

①患者体内に分布したRIから放出される。

コリメータにより一定方向からのγ線だけを検出器に入射させる。

③NaI(Tl)シンチレータで吸収されたγ線のエネルギーに比例した光を放出し、光電子増倍管により増幅する。

④加算回路により各光電子増倍管の出力パルスを加算する。

⑤加算信号(Z信号)を波高分析回路に入力し、波高分析を行う。Z信号がエネルギーウィンドウ内にあれば、位置演算を行うゲート信号*1、エネルギーウィンドウ内になければ位置演算を行わないゲート信号を位置演算回路に入力する。

*1:例えば、エネルギーウィンドウ内にある時はゲート信号として1を出力し、エネルギーウィンドウ内になければゲート信号として0を出力する。

⑥位置演算回路により発光位置を同定する。また、位置演算を行うか行わないかはゲート信号により決定する。

*2:ゲート信号が1であれば位置演算を行い、ゲート信号が0であればそれは散乱線であるので位置演算を行わない。

⑦このようなデータ収集を一定時間計測することにより1枚の画像が作成される。

コリメータ

コリメータは鉛またはタングステンで作られ、γ線の入射方向を限定し、一定方向からのγ線だけを検出器に入射させる役割がある。

種類と使用目的

コリメータの種類と使用目的を表にまとめます。

現在では平行多孔(パラレルホール)型以外のコリメータはほとんど使われていません。

国家試験的には平行多孔型とピンホール型が重要です。

平行多孔型は孔を平行に配置しているため拡大や歪のない画像を得ることができます。

ピンホールコリメータは被写体を拡大し高解像度で撮影することができます。 拡大率はコリメータと被写体の距離を変えることで調整します。

像が上下左右反転することに注意が必要である。また、 感度が悪く、像が歪むことが難点である。

特性

コリメータは孔の直径、隔壁の長さや厚さによって性能が異なるため、γ線のエネルギーや撮影用途によってさまざまな種類があります。

孔の直径を大きく、隔壁の長さを短くすると空間分解能は劣化しますが、感度は上昇するため、高感度型コリメータになります。

逆に、孔の直径を小さく、隔壁の長さを長くすると感度は低下しますが、空間分解能は向上するため、高分解能型コリメータになります。

また、使用するγ線のエネルギーが高いほど遮蔽能力を上げる必要があるため、隔壁の厚さを厚くしています。

NaI(Tl)シンチレータ

NaI(Tl)シンチレータの役割は「吸収したγ線のエネルギーに比例した量の光を放出すること」です。

特徴

潮解性があるためアルミニウムケースに入れる。

力学的な衝撃に弱いため、コリメータ交換時に注意する。

急激な温度変化(3℃/1h)で割れる可能性がある。

④結晶の厚さは3/8インチ(9.5mm)が最も用いられている。

⑤入射放射線のエネルギーが高いほど感度は低下する。

⑥シンチレータが厚くなるほど感度は向上するが、空間分解能は低下する。

位置演算回路

シンチレータの発光位置の同定は光電子増倍管の出力により行うが、光電子増倍管は2~3インチ(50~75mm)程度の大きさがあるため、このままでは空間分解能が悪いです。

光電子増倍管の大きさを小さくすればいいじゃんと思うかもしれませんが、光電面径を小さくすると、光電面で発生する光電子数の統計的ゆらぎが大きくなり、位置計算に大きな影響を与えてしまうため難しいわけです。

そこで、空間分解能を向上させるため、周辺の光電子増倍管の出力を用いて計算します。この計算方法には抵抗マトリクス方式や遅延電線方式が用いられていますが、遅延電線方式は現在使われていませんので、現在の主流である抵抗マトリックス方式だけ説明します。

抵抗マトリックス方式

抵抗マトリックス方式を使うことで、光電子増倍管のどの位置に入射したかを計算することができます。(光電子増倍管の真ん中に入射したのか、それとも端っこの方に入射したのかがわかります。)

国家試験

Q1.得られる像が拡大するコリメータはどれか。2つ選べ。(68回 pm26)

1.平行多孔

2.ピンホール

3.コンバージング

4.スラントホール

5.ダイバージング

2,3

Q2.コリメータと使用目的の組み合わせで正しいのはどれか。(66回 am54)

1.ピンホール:大きな被写体を対象として撮影する。

2.ファンビーム:被写体を縮小して撮影する。

3.スラントホール:斜め方向から撮影する。

4.パラレルホール:同時2方向から撮影する。

5.ダイバージング:被写体を拡大して撮影する。

3

Q3.ガンマカメラの構成要素とその機能の組み合わせで正しいのはどれか。(65回 am53)

1.コリメータ:吸収補正

2.シンチレータ:輝尽発光

3.光電子増倍管:AD変換

4.位置演算回路:フーリエ変換

5.波高分析回路:エネルギー弁別

5

Q4.中エネルギー用コリメータが適しているのはどれか。2つ選べ。(64回 am55)

1.Ga-67

2.Tc-99m

3.In-111

4.I-131

5.Tl-201

1,3

Q5.ガンマカメラで誤っているのはどれか。(62回 am54)

1.位置演算法に抵抗マトリクス方式がある。

2.波高分析回路はγ線エネルギーの弁別を行う。

3.光電子増倍管には安定度の高い電源が必要となる。

4.高分解能コリメータを用いると高いシステム感度が得られる。

5.γ線のエネルギーが高いほどシンチレータの光電吸収検出率は低い。

4

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